「市内中心部をさっぽろうぉーくでご案内コース」のコースリーフレットを見て、仕事仲間の男女4人で都心のバスの旅を楽しむことにした。
利用するのは、循環バス「さっぽろうぉーく」(中央バスファクトリー線【環88】)。10時から18時の間は、15分間隔で運行、最終は23時17分、サッポロビール園発があるので、一日乗車券(大人750円、小人380円、さっぽろ散策バスと共通)を購入。乗り降り自由なので、「ようし、もとをとるぞ」と出発した。 4人は、コースリーフレットを手に札幌駅の1ブロック南、札幌西武デパートの南側、「札幌駅前」停をスタート。千歳鶴酒ミュージアムで札幌の地酒を試飲。明治22年のレンガ造りの工場を利用したビール園を見学したあと、明治9年建築のレンガ造りの工場を生かしたショッピングモール、 サッポロファクトリーを歩いてみた。
札幌駅から乗車
札幌駅前から、バスに乗るということを普段しない札幌市民4人は、バスの中でいささか気分が高揚。街は、紅葉の季節。車窓からみると普段の街の表情も違って見えて、すっかり観光に来たような気持ちになった。
狸小路で下車、アーケード街を歩く
乗車してから約5分。いつものアーケード街「狸小路」も、バスを降りて向かうと少し表情が違う。2丁目から4丁目までそぞろ歩き。
「どこの町も、こういう商店街はあまり変わらないよね」と話をしながら、明治35年創業、中川ライター店を訪ねる。一同目を見張る。
「自分の置きたいものを置いているだけなんですが」という店員さん。鉄道模型、帆船模型の品揃えの多さに驚く。男性陣だけが喜んでいるかと思うと、女性2人も熱心に商品に見入っている。
千歳鶴酒ミュージアムへ
「狸小路」停から再びバスに乗り、約2分、「千歳鶴酒ミュージアム」停で下車。少し歩くと、千歳鶴酒ミュージアムと日本清酒の本社、そして、札幌にただ一つ残った酒蔵「丹頂蔵」が見えてくる。
酒ミュージアムは本館と別館(アネックス)に分かれ、別館には、ラーメンの有名店2店が入る。
本館に入る前に、大きな杉球。初めて見た一番若い女性は、「お酒をつくるときは吊るすということを初めて知った」と驚いている。入場無料のミュージアムに入ると、仕込み水が湧いている。古民家を解体して、その梁を再利用した天井の高い空間だ。 杜氏が胸をはる千歳鶴の仕込み水は中硬水。地下約150メートルから汲み上げる水は、おそらく200年ほど前の雪解け水。鉄やマンガンが少なく、カリウムやカルシウムが適度にある最高の仕込み水とされる。 仕込み水を飲み、「甘い」と思わずおかわり。その後、北海道の酒米「吟風」で仕込んだ「雪原の舞」を試飲。「こんなにおいしい酒が街の中で造られていたのか」と舌の上で仕込み水の味を探し、楽しむ。酒粕ソフトクリーム(300円)も美味。
「千歳鶴酒ミュージアム」停にもどり、快晴の空を見上げる。一息つくと、もうバスがやってくる。
サッポロビール園へ
一路、サッポロビール園へ向かう。約12分で着く。「サッポロビール園」停を降りると、そこは、異国の風景。 「海外に留学したみたい」と、若い人の感想を聞きながら、明治のレンガの建物の中へ入る。
ジンギスカンのおいしそうな匂いが漂うケッセルホールには、昔実際に使われた巨大な煮沸釜(ケッセル)が鎮座する。ジンギスカンは食べ飲み放題で、3,100円から。たっぷり食べてゆっくりしても、終バスまではずいぶん時間がある。(22時40分「サッポロビール園」停発)
サッポロファクトリーへ
サッポロビール園から、次はサッポロファクトリーへ向かう。駅の方へ戻ることになる。約6分で到着。「サッポロファクトリー」停下車。ここは、明治9年、サッポロビール発祥の地。創業時の井戸は今も健在だ。札幌の豊富な地下水で今もビールを作っている。
サッポロファクトリーのレンガ館の1階部分は飲食店。工場として使われていた当時のレンガのアーチの中で、開拓当時を復刻したビールを飲むことができる。酵母未ろ過のビールも楽しめる。
2階は、小物、食品、なつかしのおもちゃ、などが目を楽しませてくれるお土産屋街。
「半日時間があって買い物もしなきゃ、という札幌最後の午後なら、ここはいいかも」とひとりがつぶやく。
レンガ館の3階に写真ライブラリーがある。昔の札幌の様子を見ることができ、今の街並みと比べてみるのもまた面白い。写真の中の昔の街並みを実際に歩いてみることができたら素敵だろうなあ。
札幌駅まで戻る
歴史を感じた後、「サッポロファクトリー」停から乗車し、札幌駅方面へ戻る。駅までなら約10分。結構、地元の人が日常の足として使っているようだ。
今日はこれで帰るが、終バスの時間を見ると、まだまだ間がある。ぶらぶら遊びたくなってしまうのだった。
(2005年11月1日・記)
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