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汗をかいて、ぐしょぐしょになるから、スキーウエアは着たくない。ティーシャツにブルゾン、ジーンズでゲレンデに行ってしまう。転べば、濡れるから絶対に転べない。ハードに滑って暑くなったら、上を脱いでしまう。そう、ティーシャツ一枚。
冬型の気圧配置が終わった4月、日本海側にいい天気の日が増えてくる。春分の日を境に、高緯度地方の太陽は思いっきり強く照り始める。冬の間、毎日降っていた雪、さすがに豪雪地帯のスキー場でも、もう新しく雪が降ることは少ない。
札幌周辺のスキー場から見下ろす里はもう春、山にはまだたっぷりの雪。明るい眺めを楽しむ季節だ。
札幌市内、手稲山のハイランド、オリンピア、小樽のオーンズなど、海の見えるゲレンデからの眺めは格別だ。そうそう、余市岳山麓の札幌国際だって、ゴンドラで頂上に登ると、小樽の港から石狩湾までが見える。雲ひとつない青空の下、春の色になった海をたっぷり眺められる。
実は、ニセコからも海が見える。ひらふスキー場、東山スキー場、アンヌプリスキー場のあるニセコ・アンヌプリの頂上に立つと、日本海と太平洋、両方の海が同時に目に入る。リフトを降りた後、スキーを担いで登るのだ。
風のない晴れた一日、背中を伝う汗、眩しい太陽、二つの海を見ながら、スキーとポールを組み合わせて作った即席のベッドでちょっとうつらうつらする。高校生のころから、そんな春のスキーの楽しみを覚えた。
スキーの環境だけをとると、パウダースノーの冬のようにはいかない。しかし、4月、5月のスキーは最後のなごりというよりも、春の陽射しを楽しむリゾートの真骨頂だ。
(2004年3月1日・杉山幹夫)
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