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レ・コルト
  札幌の外れにある、知る人ぞ知るビストロ

画像:エゾシカのグリエ
エゾシカのグリエ。焼き目の香ばしさにそえて、ねずの実の入ったソースの苦みが、皿全体を爽やかにして、旨味を引き上げている。メークイーンの粘りを活かしたピュレの甘味が、ソースと混ざった時にひときわ複雑な味わいを作り出す。表面の香ばしさ、レアの肉汁。噛んでいるとフルーツを食べているかのようなフレッシュさと満足感。シェフは数日間寝かした肉の周辺を切り落とし、最高の状態のところだけをグリエしてくれている。

 北海道のジビエと言えばシカ肉。10月25日にシカ猟も解禁になり、これから春先まで堪能することができます。
 シカ肉と言えば臭いや癖があって食べにくいと思われがちですが、きちんと処理してあるものは、そんなことは全くありません。むしろ、食べやすいです。

 その、きちんとした処理をしたシカ肉を、じっくり手間をかけて渾身の一皿にしてくれるのが手稲区稲穂にある「レ・コルト」の村上シェフ。

 休日は自ら猟や釣りに出かけ、お店で出すパンもすべて自家製と、料理に妥協を許さない村上シェフの作る一品はどれも素晴らしい。なかでもジビエに定評があります。

 今回食したのは先日仕留めたばかりの3歳半の雄のシカ。まずはシカ肉の心臓とレバーのサラダ。心臓はオリーブオイル、タイム、ローズマリーなどに真空パックで漬け込み、マスタードとパン粉をまぶしてあります。

 一口食べてビックリ。臭みという言葉は完全に消えていました。そしてレバー。こちらもハーブの漬汁に1週間漬け込んでから低温で調理し燻製にしたもの。手間をかけすぎです。さらに感動したのがルッコラ。サロマの露地ものらしいのですが、こんなにしっかり味がするルッコラにはそうそうお目にかかれません。

 たっぷり150グラムのロース。素晴らしいレアです。上質という言葉がぴったりあてはまる味わい。ジェニパーベリー(ねずの実)のソースはちょっと苦味があり、まさに大人が楽しむ味わい。付け合わせのメークインのピューレがほんのり甘いのがバランスの良さを醸し出しているのです。

 シカ肉のコースは、他にデザートとコーヒー付きで、4,500円(2名〜、ディナーのみ)

 この季節の北海道を堪能するに相応しいお店です。

(2008年11月1日・小山内美香)

Bistrot A Vin recolte (レ・コルト)

住所 札幌市手稲区稲穂3条7丁目4-14
営業時間
ランチ 12:00〜14:00
ディナー 18:00〜(※20:00以降は要予約)
定休日 水曜日・木曜日
電話 011-694-8070
コース料金
ディナー 4,500円〜(税込み)※2名〜

画像:シェフの村上 淳さんシェフの村上 淳さん。
「僕は心臓をすぐ取り出して血抜きをするんですけど、輸送中にも抜け続けるように、高分子ポリマーの水分吸収シートでくるむんです」。これは、血を抜くだけではなく旨味を凝縮する作用もあるのではないだろうか。シェフは、ハンターとともに、山に入り、しとめたシカをその場で解体する。修業時代に「親方にね、屠殺場、パン屋、魚屋、畑といろんなところに派遣されて、厨房以外のところまで随分学びましたよ」と笑う。しかし、シカの解体の流儀はどうやら自身の試行錯誤で身につけたもののようだ。

関連サイト
こどもの日に小鹿を食す(札幌100マイル)

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画像:焼きたてのホカッチャ
酵母をそだてるところから、全て自分で。小学生のとき、母親がお手上げになった、オーブンをつかって、バターロールを一人で焼き上げた。それは感動するほど美味しくできた。それが、彼の料理人として生きるきっかけだったという。焼きたてのフォカッチャの香り、味、ともに客をうならせる。

画像:エゾシカ心臓のローストとレバー
エゾシカ心臓のローストとレバー。コリアンダーなどのハーブを効かせたつけ汁に一週間つけ込んだレバーを、75度で湯煎。これは、旨味をつくり、レバーを固めるタンパク質の崩壊と、雑菌を繁殖させないバランスの温度だ。オリーブオイルとローズマリー、タイムでマリネした心臓をロースト。このとき、二種類のマスタードとパン粉の焦げ目、胡椒がアクセントというよりは全体の味を束ねている。なんという感覚のシェフだ。さらに驚くのは強い香りと歯ごたえの上、青臭さを感じさせないルッコラ。きけば、サロマの露地物。11月一杯はいけそうだという。シェフはこの露地ルッコラが無い時は、ルッコラ自体をつかわないのだという。バルサミコが多くなく、少なくなく絡み、肉を食べる口の中をどんどん爽やかにしてゆく。

画像:メニューボード
お店の名前は、フランス語で収穫。シェフが北海道の収穫を愛でるように、メニューを組んでいる。デセールは、ショコラのソルベなど、ちょっと気になるものが並ぶ。

画像:レギオールの良く切れるナイフ
ジビエをたべるには、レギオールの良く切れるナイフが欠かせない。

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