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2009/08/01の記事です

安田侃とイサム・ノグチを訪ねる旅

北海道、札幌と作家たちとの出会い、作品、そして未来を感じる旅

画像:アルテピアッツァ美唄の庭
アルテピアッツァ美唄。赤いトタン屋根、板葺きの外壁に手入れが行き届いている。暖房のためのコンクリートの煙突。現在も幼稚園として一部が使われており、美術館として使われている旧小学校の部分も、掃除と手入れが行き届いていた。かつての校庭と裏山に施された彫刻は、子どもが何時間も飽きずに遊びつづける居心地の良さ。昔からの大木と、イタリアの白い大理石がそれを作っている。
交わされたダイアログ イサム・ノグチと安田侃
 2009年9月12日、小樽を出発して、イサム・ノグチと安田侃(かん)の足跡を尋ねるバスツアーが実現する。これは以前、札幌市長と安田侃がその交流の中で話し合った構想が実現したものだという。
※バスツアーは、満席となりました。
シィービーツアーズ
 └バスで行くイサム・ノグチ/安田侃 2人の彫刻家を巡る旅 安田とノグチは、イタリアの同じ工房を使う彫刻家同士だった。安田は友人として、先輩のノグチの通訳やベネチアビエンナーレの出展作業をサポートするという交流があった。ノグチが北海道を訪れるきっかけを作ったのは、美唄市出身の安田であったという。ノグチのブラック・スライド・マントラを大通公園に設置する際、札幌市が大通公園の7丁目と8丁目の間を走る道路を閉鎖して彫刻を設置する英断をした。これも安田の助言があってのことだった。 希有な出会いで、ノグチと札幌市はモエレ沼にランドスケープアートを実現した。ノグチが生前、再三交渉したニューヨーク市との間で、実現できなかった領域の仕事を形にしたのが、札幌市のモエレ沼公園だという。 今回のツアーは、朝7時30分に小樽を出た後、札幌市大通公園のブラックスライドマントラを見る。モエレ沼公園を学芸員の宮井氏とともに歩いて海の噴水とその地下構造をも見学する。その後、モエレ沼のレストラン「ランファンキレーブ」で昼食をとり、安田侃が賞賛する月形大橋と石狩川の風景を眺めながら、美唄市のアルテピアッツァへ向かう。 ノグチと同様、世界的に活躍する安田の作った、あるいは、作り続けているアルテピアッツァ美唄は、モエレ沼公園と対照的な風景だ。
 見学者は、広い平野に残された三日月湖のモエレ沼、その弧の内側に人工的な稜線をつくりだしたノグチの仕事を見学した後、安田の守る森の中の小さな小学校を見ることになる。そして「心を彫る」体験が用意されている。 安田は小学校の内部に彫刻を置き、校庭に彫刻を施し、周囲の森と調和する空間をつくり続けている。子どもも大人も安全に気持ちよく遊べるところ、くつろげる椅子やテラス、散策道が年々つけくわえられてゆく。安田と美唄市の交流は、地下に眠る炭坑災害犠牲者の追悼から始まった。地域の遺産を丁寧に調べ、残し、先人の思いを深く汲み取るように続いてきた。そして、これからさらに発展するだろう。
 ツアー参加者は、周辺の野生動物や植物との対話しながら少しずつ彫刻やテラスの造成をしてきた、その手法を体感する。ワークショップで、実際に石を彫ったときにはなかなか思うようにできないはずだ。そこで、人間が石を削り始めた太古の昔と変わらない時間を過ごすことになる。

 木造の古い校舎は掃除が行き届き、窓枠や外壁が丁寧に手入れされている。この姿を見た時に「建物の保存とはかく有りたい」と強く思う人が多いだろう。一部は幼稚園として現在も稼働している。

 日帰りのツアーだけど、どうしても美唄に残りたくなったら、NPO法人アルテピアッツァびばいの伊東奈美さんにたずねると、アルテ特別価格の宿を紹介してくれる。

(2009年8月1日・杉山幹夫)

関連サイト
アルテピアッツァ美唄
モエレ沼公園

画像:ブラックスライドマントラ
大通公園に設置されたブラックスライドマントラ。子どもの歓声と滑る姿の絶えないこの彫刻を設置する前に、公園を横切っていた市道は封鎖され、公園の一部となった。
画像:モエレ沼公園のモエレ山
モエレ沼公園のモエレ山
画像:噴水の地下
海の噴水の地下。大量の水がためられている。見学はヘルメット着用。
画像:モエレ沼公園の山下所長と宮井学芸員
モエレ沼公園所長の山下和史さんと学芸員の宮井和美さん。公園の管理運営全体に心を配る所長と、公園管理を学びながら芸術作品としてのモエレ沼の研究、整理をする学芸員は名コンビ。将来にむけて、なぜこの公園が出来たのか、正確に歴史を刻む作業を始めている。ガイドツアー中、宮井さんの近くを歩いて、質問するチャンスがあると、貴重な話を聞かせてもらえるだろう。
画像:ワークショップの工房
NPO法人アルテピアッツァびばいの「心を彫る」体験で使う工房。イタリアの石職人が使っている頑丈な台を模して作った台が並ぶ。参加者は年齢を超えて自然に仲間になってしまうそうだ。粘土など自由に形をつくれる素材と違って、時間をかけて削ることが人の心に作用することは大きいという。
画像:安田琢さん
安田侃さんのご子息、安田琢さん。月に一度はアルテピアッツァ美唄に来て、その運営を担っている。この日はたまたま居合わせた私たちに、丁寧に案内をしてくれた。ツアー当日も、何とか都合をつけて駆けつけたいとしている。

 

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