夏の円山公園
札幌市民の憩いの場「円山公園」。桜の名所として有名ですが、広い園内に溢れる木々は四季折々に表情を変え、札幌の季節を感じることのできる場所です。園内には池や小川があり、池のほとりのベンチで静かに読書を楽しむ人や、川のせせらぎの音を聞きながらのんびりと散歩をする人の姿が見られます。木陰が多く爽やかな涼しさを感じられる円山公園で過ごす時間は、贅沢にゆっくりと流れていきます。天気の良い日の公園歩きは、円山での夏の楽しみの一つです。
円山公園は、もとは「円山養樹園」という明治のはじめに開拓使が設置した試験場で、ここで国内外より取り寄せた苗木を栽培し、寒い北海道での樹木の適応性や生育状況を調べていました。その後、皇室財産の御料地となり、養樹園も廃止されましたが、市民から円山の公園計画が持ち上がり、現在の札幌市が公園予定地として貸し下げを受け、明治末から大正にかけて徐々に公園として形成されていきました。
広大な敷地には天然記念物に指定されている円山原始林の他、円山球場や円山競技場、坂下グラウンドなどの運動施設を備え、隣接する北海道神宮や円山動物園と共に自然の緑に恵まれた環境が市民や観光客に人気があります。レクリエーションやスポーツ、文化の中心としての役割を果たしながらも、昔からの自然を残してきたことは、開拓時代から受け継がれてきた精神なのかもしれません。
公園内では、養樹園時代の名残をとどめるスギ林などを見ることもでき、カツラの大木などの見られる鬱蒼とした密林とあいまって独特の自然環境を作り出しています。木々を見上げながら歩いていると、その蒼さと辺りの静けさに、ここが都心からもほど近い場所だということを忘れます。夏の円山公園は緑の香りも強く感じられ、それは自然を大切に守ってきた円山の歴史の香りのようにも感じられます。
(2008年8月1日・佐藤武雅)
円山公園
- 住所
- 札幌市中央区宮ヶ丘
- 問い合わせ
- 電話 011-621-0453
(円山公園管理事務所) - アクセス
- 地下鉄東西線下車徒歩5分
- 公式サイト
- http://www.sapporo-park.or.jp/maruyama/
- 関連記事
- 円山公園
- 参考文献
- 円山百年史
さっぽろ文庫「藻岩・円山」
















