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2005/07/01の記事です

札幌の街を見下ろす森

  大倉山ジャンプ競技場の遊歩道を歩く

 藻岩山、旭山、円山、大倉山、三角山と連なる山麓はどれも札幌中心部から10kmと離れていない場所にあり、深い森が残されている。

 スキージャンプで有名な大倉山は大通公園から真っ直ぐ西側に伸ばした線上に位置する。冬は毎週のようにスキージャンプの競技が開催され、雪のない時期もウィンタースポーツミュージアムや展望台からの眺めを楽しむ観光客でにぎわっている。

 遊歩道は山に向かって右側、リフトが設置されているのと反対側に展望台まで整備されている。下の方は舗装された両側が草地の道だが、上に上がるにしたがって、木々が覆いかぶさるように茂り、森が深くなってくる。、林床はチシマザサで、花をつけている株も見られた。森の中はエゾハルゼミの大合唱。「ヨーギン、ヨーギン、ギギギギギギギ・・・」という、間の抜けた声だが、札幌に初夏を告げる透明な翅(はね)をもつかわいらしいセミである。

画像:カナヘビ 木の階段にカナヘビがいた。じっと動かず、カメラを向けても逃げず、にらめっこが続く。手を伸ばし捕まえようとするが、見事しっぽを切られて逃げられてしまった。カナヘビがいる森というのは自然が豊かな証拠。うれしくなる。

  だいぶ展望台に近づいてきた。木々の間から札幌の街が箱庭のように見え隠れする。足元にハート型のハルニレに似た種が落ちている。横を見るとオヒョウニレ(オヒョウ)の手のひらのような葉を着けた稚樹を見る。そしてさらに進むと、樹齢100年は余裕で越えそうな見事なオヒョウがあった。これがたぶん母樹だろう。足元は種でいっぱいだ。アイヌの人たちが、樹皮をはぎ、その繊維を利用して「アットゥシ」と呼ばれる上着をつくった樹であると聞く。

 白い大きな花を咲かせたホウの樹の下を抜けると展望台に到着した。ここまではリフトに乗れば数分でたどり着ける。リフトを往復するのも良いが、せっかくすぐ横にこんなに立派な森と遊歩道があるのだから、歩かない手はない。札幌の街並みを見下ろしながらの森林浴は手軽でとても楽しいと思う。

(2005年7月1日・坂村堅二)

画像:遊歩道を歩く
展望台へ続く遊歩道を歩く。
画像:大倉山の森
大倉山の豊かな森の中。取材時(6月21日)はエゾハルゼミの声の大合唱だった。

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