トワイライトエクスプレスで時間を楽しむ旅
車幅を考慮したデザインの列車の中。とても居心地がよい空間のA個室ロイヤル(株式会社ジェイアール西日本フードサービスネット)。旅行代理店が押さえていることが多いので、予約は一カ月前の朝10時のJR営業開始前に、大手代理店に頼むのが確実かもしれない。写真奥のソファーの背もたれが手前に倒れ、ソファー部分と合わせて広いベッドになる。日本らしい、せまい空間を生かすテクニックだ。 |
| 「皆様を日本海の雄大な夕陽と、朝ぼらけの北海道の旅にお連れいたします」。低くかっこいい車掌の声が響き、「いい日旅立ち」のピアノ演奏が流れる。べただけど、これはぐっとくるな。日本海の色を映したという車体の深い緑。そして、黄色や金色は、日本海に沈む夕日だという。車掌が、この緑のジャケットに金モールつけていて、ホテルマンのように立ち居ふるまう。22時間の幸せな旅がはじまる。 大阪駅出発は12時3分。京都を過ぎて、13時からランチタイム。焼肉どんぶりに、たっぷり九条葱が乗っていた。いいね京野菜。 神戸から来た青年と仲良くなる。ビールを頼む。青年は「乗った時から、サッポロクラシックの生ですよ。北海道限定のビールが飲めるんですよ」と教えてくれた。確かに、旨い。贅沢だ。「夕食は、1,500円のお弁当が、結構いいそうですよ、一緒に予約しましょう。フレンチのディナーもいいですけどね」。彼は、この列車に詳しい。 列車は京都を過ぎて、窓に琵琶湖を見せる。霞のなかに浮かぶ、竹生島が美しい。寝台席でなく、サロンカーに弁当を持ってきてくれるようにスタッフに頼む。注文を受けてから、列車内の厨房で詰めるので、ご飯も、ひと手間かかったおかずも旨かった。
ディナーを予約している人たちは12,000円のフレンチフルコース(株式会社ジェイアール西日本フードサービスネット)を食べて、満足そうだ。しかしこの列車、乗っている人みんな楽しそうである。 僕はサロンカーで、青年が持ち込んだワインを注いでもらっていた。北海道から帰るときは、北海道産のワインを持ち込むのがいいかも。富山県に入ると、3,000メートルを超える立山連峰に歓迎される。海が見える。残念ながら、遠くが霞んで、美しい夕陽はまたの機会だ。 さあ、パブタイムだ。21時から23時まで。予約なしで、レストランを使える。すると、示し合わせたように、神戸の青年がやってきて、また一緒に飲みましょうかとなる。 楽しい。 料理が本物で驚いた。ソーセージとザワークラフトを頼んだら、ドイツで食べるようなものが出てきた。1,200円、豚のリブ肉までついて、かなりのボリューム。旨かった。そして、スタッフの接客がいい。いいタイミングで声をかけてくれたり、話を聞いてくれたり。旅で高揚する心を察して、いろいろ質問してくれる。ウェイトレスの接客レベルの高さに参った。 パブタイムを終えて、すぐ、ベッドで横になった瞬間、また熟睡してしまった。 朝は北海道、函館の五稜郭を過ぎて目を覚ました。7時30分から朝食。これも夕べの弁当を頼む時に一緒に予約したので、当然、青年と同席。スタッフも僕らを連れとして一つのテーブルにいざなう。和食を頼むと、これがまたそこまでしなくてもというくらい丁寧な料理の数々。焼き魚や煮物のおかず。味噌汁は鰹出汁が効いている。ご飯は炊き立て。御櫃(おひつ)でもらうので、よく蒸れて甘い。好きな量を自分で盛って食べられるのがいい。 北海道の風景は違う。水田も、牧場も、サイロ1つもエキゾチックだ。馬が走っていたり、カモメが飛んでいたりという景色さえも外国のようだ。噴火湾の海、煙を吐いている駒ヶ岳、樽前山、もうすぐ札幌だ。 (2009年4月1日・杉山幹夫) ■ トワイライトエクスプレス(株式会社ジェイアール西日本フードサービスネット) ■ トワイライトエクスプレス(JR西日本) 検索結果から公式サイトを探すのが大変なくらい、たくさんのファンサイトがあるので、さまざまな「旅の思い」を楽しむのもいいかもしれません。 発着時間(2009年4月1日現在) |
![]() 大阪駅に「札幌」の文字。「鉄道好き」でなくとも、一度は乗ってみようと思っていたトワイライトエクスプレス。大阪出発で京都、琵琶湖の西を通って、福井、石川、富山、新潟と走る。目が覚めると、函館、噴火湾を通って、洞爺で停車。 ![]() 大阪や京都で札幌の文字をみると、なんかぐっとくるものがある。 ![]() 出発前、車両の写真を撮っているときにベストポイントを譲り合ったお兄ちゃんと仲良くなる。彼は、神戸でフランス料理の仕事をしているとか。シャブリとワイングラスを持ち込んでいた。大津を通る頃、僕にも注いでくれて会話に花が咲く。「自分の趣味を忘れて何年も働いていました」と幸せそうに、「旅が好きだったことを思い出して」列車で札幌を目指した話をしてくれた。シャブリを飲んでいると、東京の老夫婦が話しかけてくる。僕たちを長い友達だと思ったようだ。今知りあったばかりだというと、照れながら旦那が「僕も仲間に入りたい」という。最初は奥さんも一緒に。あとで男三人で旅行の話、列車の旅の話。ご夫婦はツアーで、東京から新幹線で大阪。トワイライトで札幌、その後、洞爺のウインザーホテルに泊まり、帰りはカシオペアで東京という。ゆったりと時間を楽しむそうだ。
|













