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2009/06/01の記事です

北海道大学構内散策

画像:札幌農学校時代から引き継がれる力強さ

北海道大学構内の札幌農学校第2農場

札幌農学校時代から引き継がれる力強さ

 全国一広い敷地を有する北海道大学は、札幌駅から徒歩8分で正門にたどり着きます。

 札幌農学校時代の明治の建物が、力強い大きな樹々に包まれて、今も学生たちの学び舎として利用されています。市民にも広く開放されているこの大学は、北海道の誇りでもあり、憩いの場にもなっています。ゆっくり散策してまわっても6キロメートルほどでしょうか。その価値は充分にあります。どうぞ、緑のシャワーを存分に浴びて、北海道らしさや、農業の歴史に触れてみてください。

散策ルート

札幌駅西口→北西へ500メートル→正門→中央ローン、クラーク像、古河記念講堂→交流プラザ「エルムの森」→農学部→理学部、総合博物館→新渡戸稲造の碑→ポプラ並木→レストラン「エルム」→大野池→銀杏並木→メイン通りを北へ→北18条門→札幌農学校第2農場→獣医学部の家畜→メイン通りを南へ→大野池→サクシュ琴似川→中央ローン→クラーク会館

画像:中央ローン

中央ローン

 正門からまっすぐ進むと緑の芝生と樹々の木陰が気持ち良さそうな一角、中央ローンがあります。小説「氷点」で、主人公の陽子がよく読書していた所です。かつて流れていたサクシュ琴似川が人造的に再現され、ゆったりと蛇行しています。
 琴似は「くぼ地」、サクシュは「浜(この場合は豊平川の意)の方を通る」の意味です。帰り道で、このサクシュ琴似川沿いの散策路もご紹介したいと思います。ぼーっとしたくなるこの場所で、正門近くの「ぱん吉」のパンを買って、ピクニック気分を楽しむのもいいでしょうし、すぐそばに生協会館もあり、買物ができます。生協会館隣には郵便局のATMもあります。

画像:クラーク像

クラーク像

 中央ローンの北西の角に、「青年よ、大使を抱け」の言葉で有名なクラーク像があり、皆さんよくここで、記念写真を撮られています。
 向かい側の白い洋館は、古河財閥が政府に献金した百万円の一部で明治(1909年)に建てられた北海道で初めてのフランス・ルネッサンス様式建築です。ここは、今、実際に文学研究科の研究室として使われているので、一般の方は中に入れません。明治の建物の中で勉強できる学生さんたちが、うらやましい限りです。

画像:交流プラザ「エルムの森」

交流プラザ「エルムの森」

 クラーク像の対角側に、交流プラザ「エルムの森」があります。市民や観光客も自由に休憩できる場所です。構内の地図やパンフレットもあるので、もらうと便利でしょう。この建物は、札幌農学校昆虫学および養蚕学教室として、明治(1901年)に、札幌農学校キャンパスだった時計台の辺りに建てられましたが、キャンパスが今の場所に移ったときに、移転しました。
 この北側の緑地を「エルムの森」と呼んでいます。大きな木のそばに立つと、大人がまるで小人(こびと)のようです。

画像:農学部

農学部

 交流プラザ「エルムの森」の前を突っ切ると、農学部です。進むにつれて、うっそうとした樹々の間からコの字形の重厚感のある建物が見えてきます。季節ごとにこの風景はがらりと様変わりし、そのたびに、見入ってしまいます。

画像:総合博物館

総合博物館

 エルムの森に戻り、南北に走るメイン通りを北に上がると、総合博物館があります。理学部の建物の中にあるのですが、ここは、何度訪れても魅力あるところです。1階から3階まで様々な学術標本の展示がありますが、岩石や昆虫や化石なと、子どもでも面白いと思えるものがたくさんあります。3階のニッポノサウルス(日本竜)とデスモスティルスの化石、牛の骨格標本などは圧巻です。
 無料ですし、この明治の建物の中に入ると、それだけで年月の重みが感じられます。

画像:新渡戸稲造博士顕彰碑

新渡戸稲造博士顕彰碑

 博物館を出て、理学部の建物の角を左に曲がり300メートルほど西に進むと、新渡戸稲造の碑があります。
 札幌農学校の第2期卒業生。貧しい子どもたちでも勉学できるようにと、札幌に遠友夜学校を設立し、彼の友人や学生たちがボランティアで教える活動が続いたそうです。運営には新渡戸夫妻や宮部金吾、有島武郎なども関わりました。新渡戸は後に国際連盟事務次長となりました。
 この碑の隣に、ポプラ並木があります。

画像:ポプラ並木

ポプラ並木

 北海道大学の名物だったポプラ並木が、2004年の台風18号で半数近くが倒壊しましたが、その後全国からの支援もあり、70本の苗木の植樹が行われ、今では80メートルの散策が可能になりました。

画像:大野池

大野池

 ほぼ、構内の真ん中に位置する大野池は、野性の鴨たちの可愛らしい姿や、エンレイソウ、蓮の花などを見ることができ、多くの人の憩いの場になっています。故・大野和男教授の発案で、1963年から10年かけて、泥炭地が池に整備されたので、「大野池」と名付けられました。隣にはこの池や周りの緑を眺めながら食事やお茶ができるレストラン「エルム」があり、大学のゲストハウスの役割を果たしています。もちろん、観光客の方も利用できます。このレストランの前には、故・中谷宇吉郎博士が世界初の人工雪結晶をつくることに成功したことを記念して、雪の六角平板結晶を模した「人工雪誕生の地記念碑」があります。さらに隣の「中央食堂」は学生食堂です。

画像:イチョウ並木

イチョウ並木

 大野池から50メートル北上すると、東側に向ってみごとなイチョウ並木があります。ちょうど北13条門の出入り口に向うことになります。長さ約380mの道路の両側に70本のイチョウが植えられていて、秋の黄金色はさらにみごとです。

画像:南北を走るメイン通り

南北を走るメイン通り

 また、メイン通りにもどり、北上しましょう。左手に工学部、右手に歯学部や医学部があり、この通りは多くの学生が自転車で移動しています。歩いていると小鳥のさえずりが聞こえてきます。北18条門まで着くと、高原かと思うような白樺や草原が広がり、市民の遊歩道にもなっています。

画像:札幌農学校第2農場

札幌農学校第2農場

 北18条門の道路を挟んで向こう側に、重要文化財の札幌農学校第2農場のモデルバーン(模範家畜房)やコーンバーン(穀物庫)があります。広い敷地にもかかわらず、静寂の中、建物の持つ強い存在感がグーっと迫ってきます。一旦時間が止まり、ゆっくり後戻りしていくような感覚に陥ります。
 クラーク博士の大農経営構想によって、一戸の酪農家をイメージした模範農場として発足したもので、モデルバーンやコーンバーンは1877(明治10)年に落成しました。日本最古の洋式農業建築です。

画像:獣医学部の家畜

獣医学部の家畜

 「えっ、牛や馬がいる」と初めてのときは驚きました。
 モデルバーンから西へ300メートルほど歩けば、のんびりと草を食む馬や牛に会うことができるでしょう。大きな黒い瞳のかわいいこと。

画像:サクシュ琴似川沿い

サクシュ琴似川沿い

 さて、またメイン通りを大野池まで南下します。大野池からメイン通りを渡った向かい側にサクシュ琴似川が流れていて、その横の遊歩道を歩きます。少し歩くと右手に弓道場があり、運がいいと練習しているところを見ることもできます。さらに進むと、道が狭く狭くなっていきますが、気にせずサクシュ琴似川沿いを歩きましょう。そのまま歩くと、先ほどの中央ローンに出てきます。

画像:クラーク会館

クラーク会館

 中央ローンのそば、メイン通りの南の突き当たりに、学生会館として1959(昭和34)年に建てられたクラーク会館があります。学生や教職員のさまざまな活動に使える集会室などが備わっています。
 食堂は若者たちの旺盛な食欲を満たすよう、安くて美味しいと評判で、近隣の会社員も利用したりしています。学生の気分にもどって食べてみるのも楽しいかもしれません。
北海道大学には、下記のところにも学生食堂があります。
・中央食堂(総合博物館の北側、レストラン「エルム」の南隣)
・北部食堂(工学部の北側)
・はるにれ食堂(医学部の北側)

(2009年6月1日・記)

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