古代遺跡を巡る旅
札幌から約1時間ほど走り、小樽交通記念館のすぐそばにある、1866年に発見された国定史跡の手宮洞窟に行ってみた。切り立った崖に食い込むように建っている手宮洞窟保存館に入る。奥には、今から1600年以上も前に描かれたという、岩に刻まれた人や動物の形を模した彫刻を見ることができる。
手宮洞窟からさらに30分ほど走った余市町にも、同様な洞窟があるので行ってみた。ここも、山に食い込むような形で建った保存館がある。1950年に発見されたフゴッペ洞窟である。遙か古代に描かれた人や動物、そして、船などを模したとされる彫刻を見ることができる。手宮洞窟よりも広く、たくさんの彫刻が彫られていた。
この辺りには、こうした洞窟の他に環状列石(ストーンサークル)が80基以上と多く点在している。環状列石は世界中に見られるものであり、あの有名なイギリスのストーンヘンジも環状列石である。せっかくなので、環状列石のいくつかを訪ねてみることにした。
フゴッペ洞窟から10分ほどの場所にある道指定史跡の西崎山環状列石、そして、地鎮山環状列石を訪ねた。オートバイを降りてから遊歩道を歩いて行き、小さな山の頂に約3500年から4000年前につくられたという環状列石がある。開けた場所からは、青々とした日本海がとてもきれいに見えた。この環状列石は古代の墓、そして祈りの場などに使われたという。洞窟の彫刻や環状列石。遙か昔の事なので、どんな人たちがどんな思いでこのようなものをつくったのか、今では想像することしかできない。それでも、現地に赴き、遠くに見える青々とした日本海の景色を見ると、亡くなった大切な人を見晴らしの良いこの場所に埋葬した古代の人たちの気持ちを想わせる。
古代に思いを馳せて遊歩道を歩き、少しお腹が空いたので、岩内まで足を伸ばして昼食を食べることにした。途中、余市の郊外で果物がたくさん売りに出ていたので寄ってみた。梨やぶどう、プルーン、りんごなどがたくさん並び、甘い香りが立ちこめ、多くの客でにぎわっていた。果物で有名な余市町は、この時期フルーツの収穫時期なのである。果物のおみやげを買ったあと、岩内にあるとんかつ屋の百席に寄った。ここのトンカツは、ボリュームたっぷり。分厚く柔らかいヒレカツ定食でお腹を十分に満たした後は、少し色づきはじめたニセコパノラマラインの景色を楽しみ、温泉に入ることにした。
ニセコ周辺には、たくさんの温泉があるのだが、今回はニセコ湯本温泉郷の月美の宿「紅葉音」に行ってみた。ここは、古い温泉宿を改装し、今では古い歴史と新しい清潔感が複雑に調和した、良い感じの温泉宿である。湯は非常に濃いクレーの硫黄泉で、香りもとても強い感じがする。オートバイで冷えた体にはとても良い温泉である。温泉で体が芯まで温まったあと、札幌までの家路につくのであるが、寒暖の差が激しいこの時期は日が落ちた後、気温が8度を下回り、せっかく温めた体も芯まで冷える。
そんなこの時期独特の気候を体全体で感じることが出来るのが、オートバイの楽しみでもある。古代の思いを巡らせ、秋の紅葉と美味しい果物、そして、暖かい温泉を巡る旅を、この秋ぜひおすすめしたい。
(2009年10月1日・星 桂一)
■ 手宮洞窟保存館
- 住所
- 小樽市手宮1丁目3-4
- 公開期間
- 4月1日~11月3日
- 公開時間
- 9:30~17:00
- 休館日
- 毎週火曜日と祝日の翌日
- 入館料
- 大人100円、高校生50円
- 問い合わせ
- 電話 0134-24-1092
- 公式サイト
- 手宮洞窟保存館
■ フゴッペ洞窟
- 住所
- 余市郡余市町栄町87
- 公開時間
- 9:00~16:30
- 休館日
- 毎週月曜日・祝祭日の翌日・年末年始
- 入館料
- 大人200円、小中学生100円
- 問い合わせ
- 電話 0135-22-6170
- 公式サイト
- フゴッペ洞窟
■ 百席
- 住所
- 岩内郡岩内町万代2-5
- 問い合わせ
- 電話 0135-62-3529
■ ニセコ湯本温泉郷の月美の宿「紅葉音」
- 住所
- 蘭越町湯本温泉680
- 日帰り入浴料金
- 大人800円、小人300円
- 日帰り入浴時間
- 10:00~17:00(入場制限があります)
- 問い合わせ
- 電話 0136-59-2881
- 公式サイト
- ニセコ湯本温泉郷の月美の宿「紅葉音」




















