写真はヒメジョオンに集まるコチャバネセセリ(中央)とオオウラギンスジヒョウモン(左)
清田区「札幌ふれあいの森」を歩く
札幌市中心部から車で約30分、清田区有明にある「札幌ふれあいの森」は市有林として最も大きい白旗山都市環境林(約1,100ヘクタール)に含まれいて、周囲には厚別川の清流が流れ、散策路が整備されている。駐車場から厚別川の橋を渡ると正面にふれあいの森センターがあり、樹木標本が数十種展示されている。
ふれあいセンターを後にして、正面の道を進むとすぐに森の中である。木漏れ日が美しい。道は広くて歩きやすく、樹木には名前の書かれたプレートがつけられていて図鑑いらずだ。森の横には小川が流れ、トクサの群落の中に背丈の高いアザミの仲間が顔をのぞかせる。ゆっくりと森の道を歩いていると、突然青緑に輝くチョウが目の前を通り過ぎた。ゼフィルス(※右欄注参照)だ。 2匹の雄のオオミドリシジミがくるくると円を描いて縄張り争いをする卍巴(まんじどもえ)という行動が目の前で繰り広げられる。見渡せばあちらこちらで輝く翅(はね)を見せ、まるで自分のために開いてくれたショーのようで、時間を忘れた。
ゼフィルスの主な食樹はミズナラ、コナラなどの広葉樹。きっと森にはこれらの樹木が豊富にあるのだろう。
ゼフィルスのほか、コチャバネセセリ、カラスアゲハ、オオウラギンスジヒョウモンなど、チョウがそこらじゅうを飛び回っている。林道のような開けた場所で両側が森林というような環境はしばしば「チョウ道」といってチョウの通り道になっているが、まさしく札幌ふれあいの森はチョウ道の宝庫だ。
遊歩道では捕虫網を持った少年が駆け回っていた。右に左に上に下に、網を振り回す手が休まらない。筆者もゼフィルスを追いかけ回した少年時代を思い出す。きっと本州のチョウ好きをここへ案内したらめちゃめちゃ感激するんだろうなー。
(2005年8月1日・坂村堅二)

※「ゼフィルス」とは俗称でミドリシジミなどシジミチョウ科の一群を指す(日本には24種類が生息)。
ゼフィルス(Zephyrus)は、ギリシャ神語に登場する穏やかな西風の神。主に雄の翅が緑色に輝く種が多く、人気がある。















