豊平峡を歩く
一般車両は入ることができないので、豊平峡ダム行きの電気バス乗り場に車を止め、電気バスに乗る。このバスは後ろが幌になっていて、時速30km程度のゆっくりとしたスピードで進む。全長1km以上もある冷水トンネルを抜けると、バスは速度を落とす。トンネル右手に「千丈岩」という高さ30mはあろうかという岩が見えた。柱状節理(※)の岩と針広混交林の見事な森が広がっている。反対側には「九段の滝」。名前の通り、何段にもなって絹糸のように幾筋もの流れが見えた。飛沫(ひまつ)を浴びた岩が苔むしている。滝を過ぎるとバスは再び速度を上げる。もう一つの小さなトンネル(豊平峡トンネル)を抜けると、終点の豊平峡ダムに到着した。駐車場から約7分だ。
ダムの高さは約100m。放水口からは勢いよく水が落ち、水しぶきが光に照らされて、虹をつくっている。
バスの運転手さんによると、紅葉を楽しむなら、見ごろは例年9月下旬から10月中旬、太陽の光が岩に当たる午前中がいいらしい。 ナナカマド、カツラ、イタヤカエデ、ハウチワカエデなど紅葉する樹木に混じり、常緑針葉樹のトドマツも多い。シーズンになれば、赤、橙、黄の紅葉に加え、トドマツの緑がそれを引き立てるだろう。帰りは、電気バスに乗らず歩くことにする。
豊平峡トンネルは歩道もあり安心して歩ける。九段の滝へは5分程で到着。電気バスではゆっくり眺められなかったので、今度はじっくりと滝の音を聞きながら眺める。冷水トンネルの入口から左に折れる道があり、ここを曲がり、定山渓自然の村へと続く遊歩道を行く。
車一台が通れるぐらいの砂利道を千畳岩を眺めながら下っていく。歩くほどに岩は形を変え迫力を増していく。森と岩と空のコントラストが美しい。しばらく行くと豊平峡ダムが谷を遮っている姿が見える。ダム湖は「定山湖」と呼ばれるが、ダムの下流側はまさしく渓谷だ。道の左側は切り立っていて、ときおりその谷底に川が流れているのが見える。人気のない道を歩くと聞こえるのは谷から吹き上げる風と葉のざわめき、そして、サラサラと水の流れる音だけだ。
エゾライチョウが歩いてきた僕にびっくりして木陰の続く道なりに逃げていった。やがて左手に定山渓自然の村の建物が見えてくる。ここで遊歩道は終わり、舗装された道に出る。ここまで約40分の行程だった。車を止めた電気バス乗り場の駐車場までは定山渓自然の村から徒歩で約20分だ。
※柱状節理:岩石中に発達した、五角形または六角形の柱状の割れ目。玄武岩や安山岩に形成される。
(2005年9月1日・坂村堅二)
- アクセス
- JR札幌駅バスターミナルからじょうてつバスの「豊平峡温泉線」に乗り、80分で終点「豊平峡温泉」で下車。
電気バス乗り場まで徒歩約30分。9月中旬からのハイシーズンに限り、定山渓温泉から無料シャトルバスが運行される。 - 関連サイト
- じょうてつバス http://www.jotetsu.co.jp/bus/
豊平峡 http://www.houheikyou.jp/
(株式会社札幌リゾート開発公社のページ) - 関連リンク
- 豊平峡温泉
豊平峡ダムへ向かう途中にある源泉100%の温泉
定山渓温泉街(定山渓観光協会のページ)
ホテルが立ち並び、古くから札幌の奥座敷として親しまれている温泉
















