まずキャンプをしようにも、目指すポイントは当然雪の中である。それどころか、目的地までの道のりをまず除雪しなければならない。前もって、先発隊がかき分けてくれた側道を、乗用車がスリップしないようにと祈りつつ、キャンプ場に到着。既に大勢の「手」ならぬ「足」で踏み固めてくれた場内は、突然深い眠りを妨げられたかのごとく、予期せぬ来客を不機嫌に待ち受けていた。つまり、凍って水が出ない水道栓、雪に埋もれて開かない用品庫、火の気が全く無いロッジなどが、今からキャンプをするという現実に、しっくりと馴染んでこないのである。その証拠をこれでもかと見せ付けられ、我々はこれから片付けなければならない膨大な問題を前に深い深いため息をついたのであった。
冬の日没は早い。飯ごうやバケツ、シャベルや寝袋など、これから一泊する最低限必要な用具を慌しく用意しながら、今宵のキャンプの準備に取り掛かる。まず、予め用意してきた水を使って夕食づくり。いわゆる「ガンガン」をかまど代わりに、夕飯のカレーが完成する頃は、既に周りは闇の中。日中のぽかぽか陽気も急激に冷え込んでくる。それでも白い炎のような息を吐きながら、慌しく夕飯すませると、芯まで冷え切っていた体にちょっぴり小さな満足感が漂う。
そして最大のイベント「キャンプファイアー」。あかあかと夜空を焦がす炎を眺めていると、時間の感覚がなくなってきて、夢と現実がごちゃまぜになってしまう。遠い昔の記憶が鮮やかに目の前に甦って来る、そんな感じに襲われる。炎にあぶられる体前面に対し、後ろは今にも凍りつきそうな両極端の体感気温に、現実に引き戻される。まるでこんがりと焼かれたローストチキンのように、キャンプファイアーの火の前で何回も回れ右をしながら夜を過ごす。
炎もやがて下火になり、就寝時間がきた。ストーブのついているロッジに入ると、厚手の防寒着を十分に着込んだうえで、冬用の寝袋にくるまって雑魚寝するが、やっぱり冬のキャンプは侮れない。床から伝わってくる冷気に震えながら、まんじりともしないで朝を迎えた。次の日、楽しい思い出とともに、体のあちこちがこわばり、筋肉痛の自分がいたのであった。
(2009年1月1日・大橋 豊)
■ 定山渓自然の村
- 住所
- 札幌市南区定山渓(豊平峡ダム下流国有林野)
- 利用時間
- 宿泊 10:00~翌日9:30、13:00~翌日12:30
日帰り 9:00~17:00 - 料金
- コテージ(1室)3,600円
テントハウス(1テント)3,000円 - アクセス
- 札幌市街から車で約45分
じょうてつバス「豊平峡温泉」から徒歩で約30分。 - 問い合わせ
- 電話 011-598-3100、FAX 011-598-3104
- 公式サイト
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