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2011/12/27の記事です

さっぽろの新・郷土菓子、シュトレン

写真:さっぽろの新・郷土菓子、シュトレン

[案内人]

食&農ライター

【プロフィール】
厨房から畑まであちこち出没し、道内のパティシエには特に顔が広い。食の総合出版社(株)柴田書店を経て帰郷し、本、雑誌、新聞と北海道の味を全国にアピール中。「さっぽろスイーツコンペ」審査員、世界料理学会in HAKODATE実行委員
【ひと言】

ブログ「slowfood+sweet tooth」 http://sweetslove.blog4.fc2.com/

「フードライターが教える 絶対ハズさない 北海道スイーツ」
厨房で作り手と食べて語った、マニアックで時に笑えるエピソード集。食べ歩きやお土産選びのガイドにも役立つ、「作り手が見える」一冊です。
財界さっぽろ刊 税込1000円
書店ほかセブンネットショッピングでも販売中

 クリスマスのお菓子といえば、シュトレンは、パンとお菓子の中間のような甘い発酵生地にドライフルーツをたっぷり入れ、大きな塊を少しずつ切って味わうものです。ドイツ(ザクセン地方)が発祥と言われ、ドレスデンでは15世紀以来法律で製法が定められて名産品に。今ではドイツ内外に広まって、札幌でもパティシエやブーランジェが競うように作っています。
 シュトレンが面白いのは、「待つ」ことで味わい深くなるところ。夏に干して蓄えた果実をお酒に漬け込んでたっぷり加え、クリスマスの1ヶ月以上前に焼くのですが、すぐには味がなじまないので、さらにじっくり寝かせます。寒い時期だからこそできる「お菓子の熟成」が、えもいわれぬ深い味をつくる。これはまさに、寒い国のためのパン菓子です。

 

 こうした気候風土が合うためか、昔から北海道ではシュトレンを作り続けるお店が多いのです。以前雑誌で特集を組んだ時には札幌だけでも20軒以上、さらに地方では四半世紀も焼き続けているお店に出会って驚きました。ヨーロッパ修業を懐かしんで作る人、宗教的な背景を持って作る人、思いはさまざまですが、みな地元で食べ続けてきた季節の風物詩。種類も豊富で、マジパン(ナッツのペースト)を棒状に入れたものや干しぶどうだけのプレーンなもの、しっとりタイプからさっくりタイプまでお好み次第。札幌の甘い物好きにとっては、暮れの買い出しリストに欠かせない一品になりました。私も大好きで、11月の試し焼きを買い集めて友人たちと試食会をし、今年はどこの店を買うか品定めして楽しんだものです。

 

 札幌のシュトレンは、今年で9回目になる冬の風物詩「ミュンヘンクリスマス市」でも買うことができます。札幌とほぼ同緯度で姉妹都市のミュンヘンは、大規模なクリスマス市で知られますが、12月は札幌市民もクリスマス市に出かけ、今年のクリスマス用品やシュトレンを買い求めて楽しみます。グリューワイン(スパイス入りホットワイン)を片手にお店が並ぶ大通公園をぶらつけば、ホワイトイルミネーションに雪が降る……。これぞ冬の札幌の愉しみです。



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